インタビュー

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2016年6月12日日曜日

シュナイダー・トロフィー・レースの機体⑤1929-1931+α aircrafts of Schneider Trophy

ここからは開発時間がもっといるつう事で隔年開催になりました。

1929年 スーパーマリンS.6  イギリス 528km/h  ロールスロイス1,500ps

特に下の写真、驚くほど小さくなってますね。

こいつからは、オールジュラルミンですが一部に未だ張り線は使われています。離水を楽にするためにフロートは大型化されてますが、大きくせざるを得なかったフロートに燃料タンク+冷却水ラジエター(表面冷却)、胴体にはオイルクーラー(これも表面)のみ、胴体がほっそいですよね。

設計者はのちにスピットファイアを設計した人で、これが出世作なんだそうです。

エンジンはロールスロイスの1,500ps 2年で倍近い!機械式過給気(ターボじゃない。ドラッグレーサーと同じやつ)が付いてたそうです。

もう、WWⅡ(1939~)の準備が始まってる感じですね。このレースのために研究したわけじゃぁないでしょう。過給機はね。やっぱり高高度用ですよね。

ロールスロイスって面白そうな会社ですよね。高級車から始まって、ジェットエンジン屋ですもんね。よっぽど頭のいい人(開発者というより研究者に近い人)を継続して雇ったんですよね。

ハリアー(世界初の実用垂直離着陸ジェット機・エンジン名ペガサス)だって、機体がっていうより、ノズルの向きを変えれるジェットエンジンのほうが技術的にはすごいんでしょう。ロールスロイスですよあれもね。


1931年 スーパーマリンS.6B  イギリス 547km/h  ロールスロイス2,350ps

こいつが最後の優勝艇です。3回連続でイギリスが勝っちゃいましたからね。

外観はS.6と何処が変わったのかわからないですが、エンジンは相当パワーアップしていますね。はっきりは判らないですが、今回写真を相当引用させてもらっている”大空の天使たち”http://plaza.rakuten.co.jp/zerowagaya/diary/ というブログに書かれている事から類推するとスーパーチャージャーの性能アップだけで、このパワーアップが出来ているようなんです。1,500→2,350 ps。だけでってもちろん、各部の強度を上げるなど全く新造なんでしょうけど、排気量は同じじゃないかな。

また、パワーアップの割りに速度が上がってないのも、そろそろレシプロの限界に近ずいてて、パワーがほとんど空気抵抗に持ってかれちゃう速度域に達しちゃった事を表しています。


番外 マッキMC72 イタリア 709km/h(現水上機世界記録) フィアット3,000ps

勝ったスーパーマリンよりも有名じゃないかな。だって水上飛行機の世界速度記録を未だに持ってんだもん。カッコいいしねぇ。

スーパーマリンだってカッコいいけど、スーパーマリンはアウディA8でマッキはフェラーリだよねぇ。

フィアット1,500psX2で、2重反転プロペラで反動トルクをキャンセルするという先進の設計。でも、先進の設計って、開発要素が多くなるから予定どうりには進まない。例外はムスタングだけじゃないかな?

んで、結局1931年のレースにはもう飛んでたんだけど間に合わず、トロフィーは持ってかれちゃった。でも開発を続けたんだね。1933年に703km/hの世界記録を作ったんです。

ちなみにレシプロエンジン(=内燃機+プロペラ)の世界最高速は、F8Fベアキャット改のReabear というリノ・エアレーサーが持つ850㎞/h。ノーマルのF8F後期型が2,250㎰に対し、世界最高速チャレンジの時は3,200㎰/3,000rpm。プロペラ減速比も大きくし大径プロペラを積んだので、尾輪接地の3点離陸じゃないとプロペラがつかえてしまう限界設計だそうです。

ついでにターボプロップ(エンジンはほぼジェットエンジンでプロペラを駆動する)は、Tu-95という旧ソ連時代の爆撃機で950㎞/hです。15,000㎰x4!気が遠くなる出力。+独自のプロペラ形状と2重反転方式でゆっくり目にプロペラを回すオリジナリティーがあって、未だに世界最高速プロペラ機の記録を破られていない。





 


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