インタビュー

インタビュー
WEBマガジン B plus で紹介されました

2012年8月30日木曜日

12/8/30 市販車のDesign4 Citroën DS(2)

Citoroen DS は、同時代の中であまりに飛んでいるので、”何故こんな車を作れたのか”と考えてしまいます。

まず、Citoroen という会社自体が特別でした。社長は André Citroën (アンドレ シトロエン)で、1919年にフランス版フォードとなるべく設立、ワンマン経営の過剰投資が祟って1934年には経営危機に。
ミシェランの系列になってなんとか立て直したが、再び経営危機に陥って1976年からはプジョー傘下になった。(wiki 抜粋)

1934年の経営危機は、Traction avant(トラクシオン・アヴァン)という通称で有名な7CVのためで、
7CV

2年ほどの短期間での突貫開発、生産のために工場は全く新しく作り直されたが、この為の膨大な投資にも拘らず、新工場完成披露パーティーは1933年10月に、内外より6500人の客を招待して盛大に行われた。(Wiki 抜粋)

この結果、アンドレ・シトロエン氏は経営危機の責任を取って社長を退き、翌1935年には病死しています。派手好きで、自負心の強い、でも技術の方向性を読める、社長だったんですね。
André-Gustave Citroën(アンドレ ギュスターヴ シトロエン)

DS の開発は1938年開始なので社長交代後ですが、開発者は7CVと同じアンドレ・ルファーブルです。
André Lefèbvre(アンドレ ルファーブル)

経営危機の後もチーフデザイナーを続けられたんですから、周りから優秀さを認められていたんでしょう。wiki にも天才型と書かれています。

自負心の強い社長・その社長が作った社風・天才的Designer が、DSを作ったんです。

ただねもう一つの要素が。
作る側はなるほどという感じですが、DSは1955-1975 の20年間で、1,455,000 台も生産されているんです。勿論、車の優秀性のためではありますが、アヴァンギャルドを好むフランスの国民性に助けられたところが大きいと思います。

DS は本来、私のようなmono好きだけが支持する、オタッキーな車だと思います。それが100万台以上作られちゃったなんて、他の国では考えられません。



2012年8月29日水曜日

12/8/29 市販車のDesign3 Citroën DS

すごい車の定義って、同時代の他の車との技術・コンセプトが飛び抜けているかどうか、ってことになると思います。

その意味では、Citroën DS は、本当に特別です。
Citroën DS 1955-1975
1955 のクラウン 同時代の車に見えますか?

WWⅡが1939-1945 なので終戦後10年目の発売ですが、戦前の1938から開発が始まっていて、開発要素があまりに多く遅れたのです。

最大の特徴は油圧によるエア・サスペンション亜種機構を中心とした「ハイドロニューマチック・システム」Hydropneumatic Systemである。
この種の用途に使える小型コンピューターなどなかった時代に、油圧バルブと機械的ポンプ機構の組み合わせだけで高圧オイルラインを介し、懸架機構を自律制御するものは乗用車用のエア・サスペンションとしては最も早い実用例であり、野心的なシステムであった。(wiki より)

空気バネと油によるダンパーに、各車輪毎の自動車高調整を組み合わせたもので、荷重の増減による車高の上下は完全にキャンセルされますが、現代のアクティブSUSのような機能はありません。
また、上記システムのために油圧ポンプを持っているので、これを当時最新だったパワーステアリングと、ブレーキのサーボ、半自動変速機にも使っています。

結局のところ、革新的で高価な油圧制御を車高調整にしか使えていないので、なんだかなーって感じですし、シトロエン以外には広まることもありませんでした。

DSのすごさはハイドロニューマチック・システムとともに語られることが多いですが、私は、むしろ Design 自体の方が重要だと思います。
個性的で美しい

ボディデザインを手がけたのは、シトロエンの社内デザイナーで、トラクシオン・アヴァンや2CVのデザインも行ったイタリア人のフラミニオ・ベルトーニである。
ベルトーニは、トラクシオン・アヴァンのスタイリングに改変を加え、さらに極度に徹底して流線型化することでDSのデザインを作り上げたとされるが、結果的にはほかのあらゆる自動車と隔絶し、「宇宙船」とまで評されたデザインを実現した。それは1955年時点におけるもっとも進歩した空力デザインの一つである。(wiki より)

ふかふかのシート

当時、まだ内装用の材質としては一般的でなかったプラスチックビニールを多用していたのも特徴である。しかも白系統など、従来では考えられなかった大胆な色遣いを行い、材質の弱点を目立たせない工夫がためされていた点でも、高度なインダストリアル・デザインであった。
シートはウレタンフォームを大量に用い、ベロア系生地の表皮を与えた贅沢な構造である。ソファーのように身体が沈み込むゆったりとしたシートと、ハイドロニューマチック・サスペンションとの組み合わせによって、しばしば「雲にでも乗っているような」「船のような」などと形容される独特の乗り心地が実現された。(wiki より)
 

2012年8月26日日曜日

12/8/26 市販車のDesign 2

車の話をもっと書きたくなりました。私にとってEpoch-making な車たちの話です。

まず最初のFF車。
1934 発売 Citroën 7CV(Traction avant)

やっぱり技術革新はフランスなんですね。

FFの技術的メリットは軽量化です。長いドライブシャフトが不要になりますから。以前にTVの番組で、同じ出力のFRとFFでレースしたらどっちが早いか、とレーサーに聞いていましたが、軽さでFFとの答えでした。番組名もその時のレーサーが誰だったかも思い出せませんが。

FFは、前輪を駆動するので大きくハンドルを切った時にも、動力をスムーズに伝える「等速ジョイント」が必要になりますが、この7CVでは、完全な等速ジョイントは使っていませんでした。

本当は最初のFF市販車はというとこの車ではないんですが、FFを有名にしたのは間違いなくシトロエン7CVです。先進のモノコック構造で、低重心・広い車内等いわゆる名車です。

次はFFといえばミニですね。
1959 発売 Morris Mini-Minor

いろいろお話がある、有名な車です。私が書く事もないので、等速ジョイントの話だけ。

この車の頃から「等速ジョイント」が実用化され、ミニには量産型ボール式等速ジョイントが使われています。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%9C%A8%E7%B6%99%E6%89%8B
wikiの自在継手です。動画があって上が7CVのもの(2つ使用)下がminiのものです。

ちなみに、ミニは車輪側に等速ジョイントを置く初期の車ですが、車体側に置く場合は等速+若干の長さ変動も吸収しなければならず、実用化がさらに後になりましたが、日本のTNTが世界初に市販化し、スバル1000(1966)が初採用でした。

流れで今度はRRにしましょうか。
なんつってもビートルは外せませんね。
1938 発売 Volkswagen Type 1(Beetle)

頑丈で悪路や厳しい気候でも酷使に耐え、材質・工作が優秀で整備性も良く、大人4人を乗せて経済的に高速巡航できるこの車の性能・品質は、1950年代に至ってもなお世界各国の新型小型乗用車に引けを取らないものであった。(wikiより)

RRは順当なら次にポルシェでしょうが、あまり好きじゃないので止めます。

でアルピーヌにします。
1963 発売 Alpine A110

RRによるトラクションの強さと軽量が強みだったそうです。1600S が730kg位、人が乗っているとぎょっとする程コンパクトなのが判ります。ポルシェが嫌いなのは、あの大出力でRRは無理だと思うからで、このアルピーヌ位がRRのメリットを活かせるサイズじゃないでしょうか。

ポルシェについては、以前の「CG TV」で中嶋悟が内外のスポーツカーをどっかのサーキットを借り切って次々に試乗し、インプレッションを語るという企画をやってましたが、中嶋ですら神経質で嫌だという意味の事を、やんわり言ってましたから。アマチュアなら推して知るべしです。

んじゃミッドシップ。
これはもうカウンタックでしょう。
1974 発売 Lamborghin Countach LP400

同じランボのミッドシップはミウラが先ですが、大排気量横置きエンジン等ミッドシップのお初らしい構成上の無理があり、実用になる(こんな車に実用という言葉はふさわしくないかも)最初のミッドシップはこちらでしょうね。

有名な折り返し式の駆動系等、ホイールベースを縮めるための設計が徹底していて、つま先の位置もFアクスルとほぼ同一で、これもホイールベース短縮のためですが、相当オフセットがきついはずです。いや、体全体が内側に追い込まれる設計なんでしょう。サイドグラスの寝方はただ事じゃないですもんね。

で、今のミッドですが、こないだ「CG TV」で絶賛のマクラーレンですね。
2011 発売 McLaren MP4-12C


モンロー社が開発したアクティブサスペンションは「プロ・アクティブ・シャシー・コントロール」だ。
プロ・アクティブ・シャシー・コントロールは左右のダンパーの伸び側室と縮み側室を互い違いにオイルラインで結ぶことでロールを制御している。コーナーリング中は外輪のサスペンションが縮むので、ダンパーピストンより上部(縮み側室)の圧力が高まる。一方、内輪のサスペンションは伸びるのでピストンより下部(伸び側室)の圧力が高まる。高圧と高圧が出会うことでさらに圧力が高まり、この圧力をアキュムレーターで制御することでロール剛性を高めるため、スタビライザーは存在しないのだ。(清水和夫 carview.co.jp 12/5/9)

というサスが乗り心地とロールを完璧にコントロールして、恐ろしく良いらしいです。モンローってアメリカのダンパーメーカーですね。

こんどのマクラーレンは価格も \20,000,000 台で、以前の3座の億超とは違って現実的価格です。(どこがダー。)
こりゃー夢に出てくるな~今後。

ちなみにカウンタックがこだわっていた、ホイールベースの話を。

市販車でハンドリングの善し悪しを言う速度域は150km/h以下ですが、F1等のレーサーはそれ以上の速度域がメインになります。従って、市販車ではホイールベースの短縮がハンドリング向上に役立ちますが、レーサーではあまり問題になりません。
カウンタックのホイールベースは2,450mm ですが、現代のF1では3,500mm もあります。全幅はカウンタック1,890mmに対し、F1 1,800mm以下なので F1はひどく細長い車になっています。

2012年8月25日土曜日

12/8/25 赤毛のアン「結婚という名の繁殖の様式」

「赤毛のアン」の映画?をBS3 でやっていました。

「赤毛のアン」は大好きな小説なので見ました。

ヒロイン Anne Shirley 役 Megan Follows

ヒロインのアン役は撮影時16歳だったメーガン・フェローという女優で、私のイメージのアンより強い感じでしたが、まあ良かったです。

小説を読んでいた時も漠然と感じていましたが、結婚に至るまでの手順が様式化されていて、その様式を誰もが疑問を持たずに大切にしているのが、面白く思いました。

結婚は、子育てをオスメスの番が協力して行う事を世間に公表し、主に子育て本能が弱いオスが逃げられないような義務感を植え付け、メスにも安心感を与える良い方法です。

これによって、人間という種の保存が相当安定感を増したと思います。

しかし、本来は種の保存方法の手段に過ぎないはずの「結婚」という様式が、当時の社会でいかに無批判に、人間をしばっていたかを思うのです。

物語の中に2人のオールドミスが出てきますが、その2人の負け犬感が大きく、「子作り、子育ての方便に過ぎない」と割り切った見方が出来れば、彼女達の人生がもっと楽になったろうにな~と思うのです。
名家の娘、厳しく車椅子の母親の世話を
アンの勤務する学校の校長(右)

その手順は、
男が女の家を何度も訪問し、お茶や食事を共にします。

女とその家族が男をどう思っているかが徐々にはっきりしてきて、嫌だとなるともてなしの方法にも差が出るのでしょう、何度も訪れるって事は女側にも受け入れる気持ちがあるって事になり、2人の結びつきが社会からも認知されるようになります。
「あの男は、xxxの家を、2年も通っている。いったいいつ求婚する気だろう。」って感じです。

アンの社会では、アンは日本なら大百姓にあたる階級だと思います。
実りが日本より格段に豊かなので(一個あたりの耕地面積が広い)、大百姓階級が多く、普通の人に描かれていますが、使用人がいる家が多いので明らかです。

その支配階級の下層という人口の多い人たちが、優雅なそして比較的自由な「結婚の手順」を踏むのです。物語が豊かになるはずですよね。

日本の場合、セックスがもっと露骨、あるいは社会的締めつけが緩いので、逆に男女7歳にして席を同じくせずといった厳しい社会規範が出来てしまったと思います。
勿論、儒教の影響は大きですが。

許されない子供が出来てしまった時の社会的制裁が、アンの社会の方が厳しいと思います。だから、逆に自由な選択の出来る社会になり得たのではと思います。

自重しますからね。






2012年8月24日金曜日

12/8/24 地震予知訴訟番組を見て

群発地震に対して安全宣言を出した、行政と学者が告発されて、今も被告として裁判が続いている。というNHK BS の番組を見ました。
イタリアでの出来事でした。

興味深い内容で、何がいけなかったのか、日本ではどうかと思いながら見てました。

裁判の争点は、誰(学者)が安全だと言ったのか、どうして安全だと言えた(行政)のか、が主な争点のようでした。

私の一番の違和感は、行政の一部が安全宣言を出そうとして学者を集め、学者の大地震の可能性が低いという意見を聞いて、出した。
という組織感の無い処にあります。

行政の、できる事と出来ない事、やって良い事と悪い事、の線引きがされていないように見えたのです。安全宣言など出せるはずがないというのが日本では常識でしょう。

胡散臭い学者の「警告」による不安を拭いたい、との伏線があったようですが、レベルが低いな〜と一旦は思いました。

でもね、今はこれが日本と外国の違いかも知れないと思いはじめています。

誰が責任者なのか?という問題です。

日本の行政の責任問題では、最後まで個人は出てきません。組織相手の訴訟になることがほとんどです。一方、今回の報道では最初から、行政の責任者xxx、学者xxx と個人名です。これって、文化の違いなのでは?
裁判の実況

WWⅡ での戦犯裁判の時の、「こうなった」と言いたがる(主語が無い)日本人被告に対して、「こうした」(主語がある)と言わせようとする外人裁判官 みたいな。

どうですか?

2012年8月18日土曜日

12/8/18 Bluetooth ガジェットのメーカーステイタス

i.Tech Dynamic 社の Bluetooth 製品については度々取り上げています。
日本国内未発売の802ⅰ SPLASH

良い製品なのに、なかなか日本国内での認知がされず、どうしたものかと考えています。

性能は使ってみればすぐわかるのですが、使ってみるといっても¥6,000-¥9,000近くしますので、なかなか思いきれないですよね。それで、ヤフオクを利用させて貰って、お試しオークションをはじめました。ぜひ試してみて下さい。http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k156287631

それでも解らないのが信頼性です。

特に、Bluetooth 機器のような、日本国内ではメジャーになりきれない製品は、価格コムでの評価そのものが少ないので、より解りにくくなってしまいます。

ずっと、価格コムを見ながら人柱になってきたので、思い付いた事があります。

レビューで、全然ダメっていう人が複数いた時は、その製品は信頼性が低いと思った方が良いと思います。製品ですから普通はちゃんと動いきますが、信頼性の低い商品は明らかにハズレの頻度が高いですから。

そう思って見ると、例えば Wifi ルーターなら、NEC>バッファロー>Logitech>Pci になってませんか?


Bluetooth 機器では、



























SONY=Prantronics=i.Tech=オーディオテクニカ=MOTOROLA > JABRA > バッファロー=ロジテック > サンワサプライ

















これは私見を交えた見方です。特に i.Tech が最上位グループにあるのは、レビューを見ても判りません(件数が少な過ぎ)。ですが明らかです。使ってみての実感で自信があります。

2012年8月17日金曜日

12/8/17 Lockheed F-117

私のブログの最も熱心なFANは、私自身でしょう。
(私自身は閲覧履歴に残らないようにしています。現在の5,000+の履歴は、私以外の方の履歴です。)

で、時々読み返すんですが、見るたびにハッとするのは Lockheed F-117 です。
初飛行 1981/6 Nighthawk

本当にすごい形です。SF作家も、未来学者も、航空機Designer も想像もしていなかった、多角形の形、申し訳ない程度に付いている、V字型の尾翼、真っ黒のマットな塗装、突き抜けたオリジナル・世界を驚かせた性能。

偉そうに言いますが、およそ乗り物の中で、突然現れて世の中を席巻した唯一の存在ではないでしょうか。
コイツに比べれば、F1のウイングカーも、トヨタのプリウスも、塵芥です。
詳しく知りたければ、Wikiをどうぞ ですが、私なりにまとめてみます。

まず、多角形。

これは、レーダーの反射波を一定方向にするためです。今までの航空機は、流れるような曲線で出来ていました。相手が空気なので当然ですね。

ところが、曲線だとレーダー波をいろんな方向に反射するので、レーダー波の受信機に常に反射波が届くことにもなります。
レーダーアンテナ(直径40m)

これが、1方向の平面だとどうなるか。特定の向きになった時だけ、反射波が受信機に届きますが、一瞬なので受信が成立せず、見つからないんです。

V字型の小ぶりな尾翼も同じような理由で、大きな後退角と小さな面積になっています。

上から またイメージが違いますね

RAM(Radar Absorbent Material) というのが、表面のマット塗装の正体で、カーボンとエポキシの混ざった塗料です。電磁波を反射でなく、吸収する素材。

その他にも、エアインレットは金網で覆われ、内部のエンジン部がレーダーを反射するのを防いでいますし、

キャノピーは平面でかつ、金蒸着(内部でのレーダー乱反射を防ぐ)、

ジェットノズルは機体上面(後面ではない)で平たく配置し、赤外線でも探知しにくくしています。

この機体と同じレベルの”飛躍”が、今後の世界にありうるのでしょうか?
車なら、タイヤが無くなった時?

私が生きているうちだといいな。願わくばそれが戦争と無関係でありますように。

2012年8月16日木曜日

12/8/16 プリウス

初代のプリウスが発売されてすぐに、試乗しました。

ほんの一回りの試乗だったので、燃費性能はわかりませんでしたが、印象に残ったのは、発進した瞬間の滑らない力強さと、右折待ちで停車した時のトラックの怖さ、そしてブレーキの違和感でした。


滑らない力強さは、モーターでしょうね。エンジンと違い回転数0で最大トルクというのがモーターの特徴ですから。滑らせる必要が無いですからね。(車の発進時クラッチを滑らせるが、これは通常のエンジンのトルク特性は、回転数が低い時0に近いため。)

トラックが怖かったのは、音です。こっち側は停車しているのでエンジンが止まり、無音です。そこへ"ガ~"とうるさいトラックがスレスレを通るので、びっくりしたんです。静かさの証明でした。

あとはブレーキです。

プリウスは初代から回生ブレーキを持ってました。回生ブレーキってようはブレーキの時にモーターを回す事で減速するんです。発電するので、エネルギーを回収出来、"回生"と呼ぶんです。

通常のブレーキは、ブレーキ力最大から最小まで、ブレーキペダルを踏む力に比例します。
ところが、回生ブレーキは、基本的には、モーターの ON OFF なのでカックンブレーキになります。
そこを通常のブレーキとモーター、そして多分クラッチを組み合わせて、違和感なく操作させるようにしてるんです。

初代のプリウスは最も違和感があったでしょうが、特に問題にならなかったそうです。上記のカラクリを理解する物好きが買ったからでしょう。

ところが、2代目以降はメジャー化したので、普通の人が買うようになって、違和感の問題が出て、あのアメリカでのリコールにも関係したのでは?と思っています。

燃費向上のためなるべく回生ブレーキを効かせたいし、やり過ぎると違和感が大きくなるし、というせめぎ合いをしているはずです。

また、車のブレーキという即、命に関わる機能の事なので、フェイルセーフは徹底的に研究されているはずです。

アメリカのリコールの時は、私はそこが気になって仕方がありませんでしたが、さすがにトヨタです。むしろ、フェイルセーフの仕組みが世のうるさ型をも納得させ、お墨付きを得た結果になったと思います。

2012年8月15日水曜日

12/8/15 トヨタ


トヨタという会社は、私にとっては毀誉褒貶の激しい会社です。
私なんぞにどう思われようが、先様は全く気にならないでしょうがね。


私の若い頃は、トヨタと日産がライバルで、車好きには日産が技術優先、トヨタは商売が上手いだけと思われていました。
私もトヨタは、無借金経営と万人受けする無難な Design だけの会社だと思ってました。

トヨタが日産を寄せ付けない、孤高の存在に成ったのはいつ頃からだったでしょうか?

雅子さまカラーのスターレット

私にとっては、皇太子妃が運転されていた車が スターレット であったことを知った時でした。
私のような物好きでない、成金でもない、上品な人が選ぶのは、なるほどトヨタのベーシックカーだよな〜と納得した時、トヨタを見る目が変わったんです。
決定的に変わったのは、やはり プリウス です。
1997-2003 初代(前期型)


他のどの会社も市販を考えていない時代に、ハイブリッド車を 格段に進歩した燃費性能とそこそこの価格で、(誰にでも判る性能差をちゃんと出した上で)世に送り出した。

他者とは隔絶した実力が無ければ、とても出来ない事です。スゴイナー と思ってトヨタを気にするようになると、もう生産量世界一が目前でした。


また、私が20代のころから「かんばん方式」と言って、在庫をなるべく持たずに生産するやり方を徹底して、世の賞賛を受けてもいました。完全にトヨタのオリジナルです。

当初は、たんなる外注イジメではないかとの批判も多かったので、トヨタはかんばん方式を世間に認知させるために、求められるまま他社の指導を行った事もあって、今では、カーメーカーだけでなく、同様のやり方をする企業が多いです。

(作り方は、企業の真の財産なので公開しないのが普通。かんばん方式はその点、異例。設計は商品を買ってバラせば分かってしまうが、生産技術はそうではないので、企業の実力が表れると云われています。)

車の商売より先に、かんばん方式の方が世を席巻したのです。

さらに私が30代の頃は、塗装用のロボットを作る部門にいたんですが、生産設備の業界では「トヨタが使っているかどうかで評価が別れる、だからウチも何とかトヨタに売りたい」と偉い人が言っていました。

20年も前から、生産技術はもう日本一だったんですね。

2012年8月14日火曜日

12/8/14 市販車の Design

最近、気になる車があります。

VW シロッコ です。2008- 3代目。
プロポーション

最も特徴的なバックビュー
2ヶ月前くらいに、目の前を走っていたんです。実物は写真よりもっとグラマラスで、何だあの車はって事で調べたらシロッコだと分かりました。Design + DSG + FFのハンドリングスペシャル にやられました。

ま、退職金が入ったらですね。

ついでに、私の気になった車を新しい順に並べてみることにします。

Audi A3
2003-2012 2代目現行機種

これはDSGを積んだ、VWではない車という選択。ここ5年位は私の憧れだった。

三菱 ランサーエボリューションX
2007-

国産でDSGを積む、現実的価格の車って選択。Design はおもちゃっぽくて嫌い。


三菱 i (アイ)
2006-

新生三菱の”気合”を感じてFAN になった1台。残念ながら、家人の説得に失敗して、我が家の2nd カーはダイハツ Move。

ルノー メガーヌ
2002-2008 2代目

これはもう Design だけです。こんなのを大量生産車の旗艦にする度胸がイイですね。

アルファロメオ 156 スポーツワゴン
1997-2005

F1と同等なパドルシフトを備えて、オートマチックモードもあるってことで。Design もさすがアルファ。
CVTやトルコンでない、マニュアルのパドルシフトで、当時現実的価格の車はこれだけだったと思う。


トヨタ アリスト
1997-2004 2代目

車室長を優先した胴の長いただのセダンなのに、何か気になる Design でまた、コマーシャルが”走り”を強調したものだったので、疑問に思って調べたら、

ベンツが始めた、”FRで、エンジンを極力後ろに置くが車室を犠牲にしない”当時の Design トレンドに沿って設計した車だった事が分かり、好きになった。

シトローエン エグザンティア ブレーク
1993-2001

これはもうハイドロニューマチックに乗ってみたいから。ちなみに、
1955-1975 シトロエン DS
名車中の名車。Design、ハイドロニューマチック、FF こんな先進的設計の車を(信頼性は低かっただろうに)20年もの間、支持し続けたフランス国民に拍手。今でも、すごいDesign だと思う。    

ローバー P6
1963-1977

保守的なローバーとしては異例な先進的設計。DSを手本としたと言ってはばからなかった、チーフDesigner に拍手。
金属バネでDSの乗り心地を実現するため、Fサスペンションは”極度に凝ったレイアウト(wikiによる)”。記憶によると、スプリング・ダンパーユニットは、Aピラーの根元辺に、進行方向に水平に置かれてました。当時のCGでも絶賛。