インタビュー

インタビュー
WEBマガジン B plus で紹介されました

2016年6月22日水曜日

ル・マン 空力スペシャル⑦1992-現在 Le Mans aerodynamic Special

1992年 プジョー905 Evo 1B

何が変わったんだと思われるかもしれませんが、次世代のトレンドが1つだけ取り込まれています。

フードです。まず、フードの両サイドが立ってるでしょう?

スポーツカーは一応2人乗りとレギュレーションで決められていますが、事実上1人乗りなので2人、間にセンターモノコックという構成から、両サイドシャーシ、間にうんと近づけた2人シートという構成に変え、ギリギリに両サイドを立てて全面投影面積を少なくしたんです。

またフードですが、比較的丸いのが判るでしょうか?これは最前までフードを伸ばさず、リフトを抑える工夫です。

尖ったノーズは、いかにも空気を切り裂くイメージですが、音速以下ではあまり役立ちません。むしろ、立てて横に空気を流す方がリフトが少なくなるので良いんです。

このプジョーは、フードだけは最新のトレンドを採用しているんです。

プジョーはスポーツカー空力トレンドのパイオニアで
1993年 プジョー905 Evo 1C
翌年にはホイールカバー前面も立てて、
1992年発表のみ プジョー905 Evo 2
更にフロントにウィング


間を飛ばして、2003年 ベントレー・スピード8

これで今の空力トレンドが完成しています。

立ててて幅を狭くしたフード、やはり立てたホイールカバーとノーズ、その間のウィング。フードが前にも後ろにも短いので、リアウイングに良く風が当たりそうです。
シルエットです。


2015年 ポルシェ919 ハイブリッド

ノーズの処理とリアの背びれが違うだけで、あとはほぼ同じ。ホイールカバー前面はもっと立って、「上には風を通さないぞーっ」てのがよりはっきり現れています。

ノーズの処理は、「ウィングを置きたいんだけれどどういう風に」が問題で、ベントレーは周りに何も置かない設計、ポルシェ919はF1のハイノーズを取り入れ、だけどノーズとホイール間を繋いでウィングを隠した設計です。

背びれは高速ストレートでの直進性を確保するため、レギュレーションで決まっているそうです。








0 件のコメント:

コメントを投稿