SUZ には横内氏という設計部長さんが居てレース部隊(だけじゃないかも)を引っ張っていました。
当時はケニーの能力が圧倒的で、横内氏も「打倒!ロバーツ!を合言葉にしてハードワークを続けてた」と、雑誌のインタビューで言っていました。
なのでその頃初めてSUZが世の中に出した技術がいろいろ有りました。
その一つが”アンチノーズダイブ”という機構です。
Fブレーキの圧力で多分ピストンか何かを動かし、Fフォークのショックアブソーバーの流路を変え、沈みにくくしていたんだと思います。
500ccのワークスRGBに最初に搭載され、後には市販車にも採用されました。
当時は、「なるほど、ホイールベースが短くて、重心が高い、バイクの一番弱いところを補うわけだ」と感心していましたが、直ぐに採用されなくなってしまいました。その後もほかのメーカーで採用された話を聞いた事が無いんです。
なんでだろう?理屈は良いはずなんだけどなぁと何となく腑に落ちない気分でいました。
また、一方でビモータテージに代表される、Fをテレスコピックフォークから変えてしまう機種も有ります。
未だ前下がり=アンチノーズダイブを意識したジオメトリーを採用しています。また、サイドビューの
クランクケース+ミッションを取り囲むシルバーの下向きのコの字だけが本来の意味でのフレームです。
元々、”Fホイールを支えるのに一度テレスコで持ち上げ、その上の2ケ所のクランプで受け、フレームもそこまで持ち上げてクランプを支える。”ってのが、スマートとはとても言えない方法です。
Rのスイングアームはスマートな方法に見えるので、同じ構造をFでも採用するというのが、テージ等の”リーディングリンク”です。
実際、テージのフレームはとても小さく、リーディングリンクの合理性を証明しています。
で、初期にはこのリーディングリンクのメリットの1つとして、アンチノーズダイブにしやすいって事が大きく言われていました。
リーディングリンクに前下がりの角度を付けると、ブレーキング時のストッピングフォースが車体前部を持ち上げる形になるからです。
ですが、最近はアンチノーズダイブ自体をメリットとして言わなくなったように感じています。
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