インタビュー

インタビュー
WEBマガジン B plus で紹介されました

2016年5月21日土曜日

生産管理 ”受注生産計画と予測生産計画” For production management "Order production planning and Forecast production planning"

以前のブログを時々読み返してみてます。

書き手としてどの記事が多く読まれてるかはとても気になるし、コマーシャル収入にも影響しますのでね。

(googleの場合、コマーシャル収入が¥8,000以下では振込されません。私の場合は1度も振り込まれていません。ビミョーなペースで仮想コマーシャル収入が増えていくのを見てるだけです。でもね、自分が好きで書いてるものでお金が貰えるって、最高でしょ。どうしても気になりますよね。)

やっぱり、情報提供系の時が多いようで、最高なのがW8の時の記事で10,000件を超えています。

でもね、生産管理について書いた時もそこそこなんです。
今回は昔書ききれなかった補足を書いてみます。

先ず、”生産計画を立て必要な部品を計算で決める”って事を書きましたが、ここの補足を。


① 生産計画を立てる

  -1 受注生産計画

私の勤務していた会社(何度も出てくるので以降はDCと略します)では、最終ラインの生産計画を受注分のみで立てていました。

ガソリンスタンドのメーター(あのホースが出てるやつ)を作っていたんですが、どちらかと言うと設備物なので、そういう製品を明日持ってこいという会社はまず無いので。

それに、標準に近い物なら構造の板金を抜くところからでも1wあれば作れますのでね。

最終ラインに間に合わす部品で在庫を持たない物の中では、板金の塗装が乾燥まで1日かかるので最もリードタイムを取ってました。海に近いスタンドでは強化塗装(2度塗り)も少なくないので、TOTAL1wとして1w後の組み立て計画を出していました。

(中3日で計画していた時もあります。その話を配電盤メーカーに行った時に話をしたら、それはすごいってマジで感心され、DCってすごいんだと思ったことが有ります。)

営業には、3wは時間を見て欲しいと言っていましたがね。吹っかけているわけじゃあないですよ。なるべく機種を散らして生産したいからです。

DCは、川崎から掛川に20年以上前に工場を移転したのですが、昔からの取引先が首都圏に多く、自社で定期引き取り便を出していました。それが1週間で一回りします。なので、自然に1週間が部品納入の基準になってました。
(車やさんは規模が違うので、この頻度が2回/日なんてのも常識的にあるそうです。)

その程度の納入頻度で、特定の機種を固めて作っちゃうと、1ヶ月合計の予想使用量はあってるのに今週後半は部品が足りないなんてことが起こるんです。

逆に言うと、上手く機種を散らして作れれば、個々の部品の在庫数を減らせることになるんです。これを”平準化生産または、平均化生産”と言います。

最終組み立てを受注だけで計画するのは、多品種・中量生産なので、色まで含めると転用が効かないからです。家電のような大量生産品は、予測で作って製品在庫を持つでしょう。でも、予測が当たるので受注生産に近いと思います。

  -2 予測生産計画

部品毎の発注、発注計画を出すためのものです。

これが生産管理部門の最も大事なそして難しい仕事ですね。DCでは当月を含め4か月先まで取り入れ計画をメーカーに提示していました。足の長い部品があるので、このくらい必要なんです。足が長いってのはリードタイムが長いって事です。

例えば、ちょっと特殊な電気系の部品を取引先がタイで生産していたとします。
取引先は、同種の電気系部品をいろいろなメーカーに納入しているとします。
で、共通している部品は常にゴロゴロしているから足が長くはないんですが、こちらの専用に近い部品があったとします。これが1ヶ月かかる。それにタイからは船で運ぶので、それだけで1w程度。毎日あるわけではないので+1w。これだけで1.5ヶ月になってしまいます。

こういう事情が積み重なって、リードタイム3ヶ月程度になってしまうんです。

でね、3ヶ月先の受注なんて1割も決まっていないので、誰かが予測することになります。本当の大量生産品、家電や車が典型的。これは、予測が当たるそうです。統計的手法で当たるんですね。母数が大きければ。

DCの場合は、一応、営業が予測してました。情報が最も早いはずなのでね。それを工場側が直して、最終計画としていました。

直すのは統計的な”勘”で本当に直しちゃうこともあれば、営業側が面倒くさがって1つの機種として入力してくるのを3種に分けるとかでしたが。(特定の機種専用の部品が輸入物で足が長かったりすると、3台分だけはあの部品を確保しておこうなんて意思を反映させるんです。)

ところが、DCでは、多品種中量生産だったので、予測なんて当りゃあしません。

(日当たり10台強の生産。これでも月の売り上げは億単位、収益率もそこそこでした。これが、日当たり30台も生産していた時期があって、この時は収益率がトヨタよりも良かった。DCの収益が日立の連結決算に大きく影響するので、経理担当が「日立がうるさくてやってらんねぇ」なんて愚痴ってました。)

当たるのは各月TOTALの生産量の変化だけ、季節変動ですね。これは明らかにあったんですが、じゃあこの機種は4か月先に何台売れるかなんて、誰にも予測できない。

当たらない計画を何故出すのかと思われるかもしれませんが、大きく外れることはあっても何もないよりはよっぽど生産しやすいんです。部品メーカーにとってはね。それに、部品単位でのくるいは慣れてくると上限下限が判ってくると思います。

特定の部品の使用量がひどく計画と違ったために、生産が1週間止まるなんてことになったら、DCも必死になるので、部品メーカーの責任じゃないですが、それではすまさないんです。どんな手を使ってでも入手しようとしますからね。

下手な計画しか出せないメーカーでも顧客ですから無下にも出来ない。1度そこから買うとなると設計変更さえなければ、何年もそこそこの金額を払うわけですからね。

そうなると部品屋さんも対応に酷く手間が掛かるんですね。それを1度経験すると、彼らもある程度は在庫を持とうかなんて思い始めるようです。

それに、DCから1度出した計画がくるって、見過ごせないほどの在庫を抱えた場合。言われれば必ず引き取ってましたからね。勿論、言われればですよ。

1度は徹底的な過去の解析をして、予測精度を高めるソフトを作ってみたいと思っていましたが、やれないうちに辞めてしまいました。


0 件のコメント:

コメントを投稿