インタビュー

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WEBマガジン B plus で紹介されました

2011年11月9日水曜日

11/11/9 Racing Engine

1,000 Watch を区切りに安心しちゃったのか、大分お休みしちゃったんですが、ここらで再開します。

Engine って、奇跡的発明ですよね。遅いものでも1,000回転/分 位は、回りますから。

こんなに早いタイミングで、吸入・圧縮・爆発膨張・排出 という工程を繰り返し力を出すって、現実に使ってますから信じるしかないですが、ホントかよ~と思いませんか?

蒸気機関から始まって、膨張力をタイミング良く使えば力が取り出せるって判ったので、いろんな人が競って開発したんですね。

さて、本題のRacing Engine のお話です。
1951 Ferrari 212 F1

1951年のFerrariのエンジンです。
2,500cc V12 SOHC 24Valves ダウンドラフトCAB 200bhp@7,500rpmって、とこでしょうか。

この写真とspecからわかる事だけで書きますが、まずCabが3~6の吸入口しかない、一つの吸入口から分岐してcylinderに行ってます。これは、回転数が低いからです。この程度だとストレートの吸入口のメリットがあまり出ないんですね。
それから、engine の頭が排気管よりあまり高くないので、カムが横にあって、レバーで押してそうです。これも回転数が低いので直押しでなくてもよく、コンパクトさ・吸排気口の取り回しの良さを優先しているんですね。
総じて、普通の、クレバーな構成のengine と言えるでしょう。

1955 Mercedes Benz W196
2,500cc straight8 DOHC(デスモ)16Valves 燃料直噴 53°傾斜搭載 290bhp@8,700rpm

流石技術のドイツ、カチッとした、新技術満載のエンジンです。
まず真ん中にカムカバーを繋いでるようなステーが見えますが、伊達じゃなくストレート4を2つ繋ぎ、真ん中から出力を取り出す構造だそうです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84_W196

それから、何つっても燃料噴射装置、しかも直接気筒内噴射です。~1945のWWⅡは航空機を著しく進歩させましたが、当時もうドイツの機体は、気筒内噴射をしてました。最初から開発はBoschです。
当時は高G下での安定燃焼が目的だったそうですが、このEngineでは、高出力時の安定性燃焼に寄与してるんですかね。

また、回転が7,500⇒8,700と15%程度向上し、DOHCが必要になったんですね。デスモドロミックは必須の技術ではありませんが、まあ成功してるんだから役に立ったんでしょう。

クランクのベアリングはローラーだそうです。後のHONDAも使ってますが、割れないベアリングは組立式のクランクが必須になってしまいます。相当神経を使う組立になるので、あまり使われませんが、ちゃんと精度が出せれば効果は少なくないはずです。奇しくもWWⅡ枢軸国側の2国で実用化してるのが国民性を表してるようで、興味深いですね。

1959 Coventry Climax FPF
2,500cc straight4 DOHC 8valves 240bhp@6,750rpm

Marcedes から4年経ってるのに、出力・回転数共に退歩してるようですが、大メーカのぶつかり合いから、F1専業のコンストラクター対抗レースへと、F1が様変わりしてます。なので、Engineも誰にでも買えるものでないとダメでしたから、凝ったものはムリでした。

コベントリークライマックス社はもともと、消防用エンジンのメーカーですが、この何年か前の1,000ccクラスのエンジンが軽量で、Racing Engine に転用して成功したので、本格的にレース用を作るようになったのです。レース好きのイギリスらしいHistoryですね。

技術的に突出したものはありませんが、プロがツボを押さえてうまく設計した感じです。 

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