1903年創業なのにエンジンはつい最近までずっと空冷V2、そのエンジンも黎明期を除くと5型式しかありません。
1926 フラットヘッド 1936 ナックルヘッド 1948 パンヘッド 1966 ショベルヘッド 1985 ブロックヘッド
各エンジンを10年以上作っています。
アメリカの、広く、平らな国土が、この特異なメーカーを生んだんですね。
ワインディンが無いので、加速・減速 がなく、バンク角もあまり必要ない、他のメーカーの苦心するところが、不要なんですから特異なBIKEになるわけです。
私は、峠小僧だったくらいで、曲がるのが大好きです。
なので、HDは興味の外でした。ですが、エンジンの鼓動感は好きでしたので、試しに乗ってみたら、
新鮮な発見、驚きがありました。
まず、エンジンの鼓動感は抜群です。
鼓動感だけがあって、それに伴う不快な微振動やがさつな音が無いんです。ちゃんとそうなるように、技術開発がされているんです。
エンジンは大容量のゴムを介して、フレームへマウントされてますし、マフラーもパルシブに聞こえるように小容量で、かつ高速回転時は容量が足らないので、2つのマフラーを繋いでます。
それとあのかっこ悪いベルト駆動。
何度も言うようですが、あれがHDの良さのキモです。
普通のチェーン駆動のBIKEは、加速する際にチェーンが張ります。その際、大なり小なりショックがあるので、BIKE乗りは無意識に体に力を入れて、ショックに備えています。
また、アクセルを開ける時もチェーンが張るまで、小さく開け、張ってからもっと開けています。これもほとんど無意識にやっています。
結果、ずっと体に力を入れ、ずっとアクセルに神経を使っているのです。
それらから、HDは開放してくれます。力を抜き、リラックスして乗るってのを体感出来ます。
あの、かっこ悪いベルトが、ショックから開放してくれるのです。
883に乗って、掛川の周りの道の塗りつぶしが面白かった頃、転んだ事があります。
前日に大雨が降って、舗装道路の上に人も立てないくらいスリッピーな泥が乗っていたんですが、その転ぶまでの間、
ちょっとバンク-手ごたえがない。変だけどすぐ回復するだろう。
⇒バンク角が増える-手ごたえ回復しない。変だけどすぐ回復するはず。
⇒バンク角がもっと増える-手ごたえ回復しない。変。変。
⇒ガタン。
結局、力を抜いたまま、変だから力を入れてなんかしようと思い始めた瞬間にはもう転んでたんです。この時初めて、本当に力を抜いてライディングしていた事を自覚出来たんです。上記した、転ぶまでの間の自分の頭の中を、このまま、明瞭に意識していました。
余談ですが、「変だけどすぐ回復するだろう」ってのは、ベテランならではです。経験上、すぐ回復する事がほとんどなので、「大丈夫」と怯える体を安心させているんです。
簡単にはパニクラない、ベテランの転び方だな~って転んだくせに自慢に思いました。バカです。
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