1,492cc V6 525hp@10,500rpm
F1 にターボを持ち込んだ先駆者、RENAULT です。
スポーツカーでターボの技術を磨いたんですね。それまで禁止と同じだと思われていた、ターボは排気量半分に抑える、というレギュレーションを物ともせず参加しました。その開拓者精神に拍手。
1979年に一度だけチャンピオンになってます。
ターボを含む 過給 という技術はWWⅡ後期の航空機の高高度運行用に確立された技術です。中でもターボは、機械式に比べると駆動に要するパワーロスがほぼ0なので、有効な技術とみなされてます。
車に転用した場合、アクセル開度にリニアに反応して欲しいところがなかなか難しいので、機械式もそれなりにメリットがあります。最近、アウディが大小2つのターボをもつロードカーを作ってますが、現在でもリニアに反応するターボは難しいということを物語ってます。
1,496cc V6 24Valves 600ps以上@11,000rpm
最終的には1,000馬力を超えていたのではと言われる、ターボエンジンの頂点ではないでしょうか?
当初は、ビッグボアショートストロークのレーシングエンジンのセオリー通りの構成でしたが、燃焼がうまく行かず、スモールボアロングストローク化して大成功しました。
ただ、この変更はやってみたらうまく行ったというようなものだったらしく、チャント解析すべきだったとのHONDA内部での軋轢もあったそうです。
とにかく強かったですね~。1988年にはHONDAエンジンのマクラーレンが15勝/16戦しました。
1983年の初出場から1988年の頂点まで5年間、HONDAはターボエンジンの勉強をずいぶんと進めたように感じます。特にテレメタリーと言われる、エンジン・車体の情報を電送して直接スタッフが見れるシステムを導入し、本格的に活用した最初のチームだとどっかで読みました。
このせいでしょうか、後半燃料タンク容量が制限されレース中の給油がレースの一部になった時には、「満タンの時と空の時は、0.5秒ラップタイムが違う」 などとTVの解説者が当たり前のように言うようになって、F1 に曖昧なところ、あるいはロマンチックなところが無くなったように感じます。
また、HONDAの徹底した研究姿勢は=開発費の増大化にもなってしまい、その後のF1界を大きく変えてしまいました。
1983~1991年の間、ターボの禁止があり、F1界は激動だったんです。が、次の技術的ブレークスルーは、やはりこのエンジン、ニューマチックバルブスプリング でしょう。
3,500cc V10 40Valves(Pneumatic Valve Springs) 770hp@14,400rpm
このエンジンのデビューイヤー1991年は マクラーレンホンダがチャンピオンですが、そのエンジンは、HONDA RA121-E 3,500cc V12 700hp@13,000rpm ですから、V12に対し、V10で回転数が+1,400rpm なので、ニューマチックの効果は絶大です。
ニューマチックバルブスプリングは、その名の通りバルブスプリングの代わりに圧搾空気でバルブを動かすものです。制御は通常のエンジンと同じでカムで行います。金属スプリングは、一定以上のスピードには追従できないので、これに変わってスピードに限界のない空気での駆動に変えたんです。
RENAULT って、チャレンジするメーカーですね~。
ターボもニューマチックも共にこの会社が、始めたんですね。
MICHELINのラジアルタイヤといい、RENAULTの2つの技術といい、FRANCEは技術のブレークスルーに貢献度大ですね。でも、結局後追いの日本のメーカーに負けるんですね。追求する粘着力が足りなくて。
F1でのこの技術的傾向は、技術に関する世界の縮図です。私は、この事をむしろ残念に思っています。日本が技術的ブレークスルーに寄与できていないので。
そう言えば、無段階変速の CVT も確かフランスのベンチャー企業の開発品です。
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