今度は、自転車の変速機 Derailleur ディレイラーの話をしましょう。
自転車の変速機はディレイラーと呼ばれます。直訳では脱線機ですね。鉄道用でも英語の綴りは同じです。チェーンを脱線させて変速するのでこう呼ばれてます。
人間のPowerは一流のアスリートでも1.5馬力程度と言われてますので、車の変速機よりももっと必要です。ただ、モーターと同じでトルク特性が良いので(回転数0で最大トルク)、変速機無しでも何とか走れますが。
で、Europaでの自転車競技、特にツール・ド・フランスに代表されるロードレースの人気はご存知だと思います。アルプス超えをするので、変速機は必須ですが、昔はどうしてたんでしょうね。山越えの時は、押してたんですかね。
カンパニョーロという 伊 の有名な自転車部品メーカーが最初に作ったそうです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%89%E9%80%9F%E6%A9%9F_(%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A)
私が10歳の頃、自転車の雑誌を読み始めたんですが、当時はニューサイクリングという雑誌があって(今は無いと書こうとしましたが今もあるらしいです。)、大人の自転車オタク向けですが、カンパニョーロと日本のシマノの性能比較の記事が良くありました。
覚えているのは、シフトワイヤーの比較の記事です。
壁に方眼紙を貼り、2m程のシフトワイヤーを横に画鋲で止めただけの写真の比較です。
ワイヤーの剛性によって、固いものは広がって、柔らかいものは狭い状態で垂れ下がります。
当時は、カンパニョーロの圧勝。全然柔らかいんです。ワイヤーの芯線が細いと外径は同じでも柔らかくできるんです。勿論、そのためには手間が余分にかかるわけで、海外の一流の部品はそっからもう違うんだと憧れました。
その後、シマノは子供用として1970年代にパチパチシフト(商品名ポジトロンシステム)を作り、これが1980年代のMTB大流行の時にブレークして(商品名SIS(シマノ・インデックス・システム))、今の市場を寡占する状態の端緒を作りました。
山を降っている時に、昔のような、手探りで変速したら止める式の変速機では、間に合いませんからね。
その後、デュアルコントロールレバーをロードレース用に作り、同型式の製品をカンパニョーロが出したときに、「これで名実共にシマノが世界一になった」とどっかの雑誌に書いてあったのが印象に残ってます。カンパニョーロですら後追いをせざるおえないメインストリームを、シマノが確立したって事ですね。
デュアルコントロールレバーもエルゴパワーも、ブレーキレバーとシフトレバーを一体化した製品で、ロードレースサーはブレーキレバー基部を握って走るのが普通なので、手を離さずにシフトできるのが売りです。
今では、シマノが市場を寡占して、シェア80%を超え、その上で、「カンパニョーロは潰さない」と公言しているそうです。http://9-26.way-nifty.com/livestrong/2007/05/venga.html
すごいですね。
車も自転車も、機械要素では変速機が最も興味があります。
なんでだろう~と考えたら、最も良し悪しを感じる部分だから、ではないかと思いました。
25%程度までのエンジンパワーの差なら、トルコンがCVTに変わった方がよっぽど性能差を感じますからね。
自転車もそうで、昔の手探り式からパチパチシフトに変わった時は、すごい差を感じましたから。
0 件のコメント:
コメントを投稿