インタビュー

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WEBマガジン B plus で紹介されました

2012年9月26日水曜日

12/9/26 生産管理 2 棚卸資産圧縮

前回、生産管理のお話をしましたが、最近ではどこの会社も棚卸資産を圧縮して、キャッシュフローを改善しようとしています。
棚卸回転日数(棚卸資産の多い少ないの判断指標)

棚卸資産は、メーカーが生産をするために持つ部品在庫、製品在庫を金額で表したものです。
これはバランスシート上では、資産の一部として表されます。

なので、古い生産管理の考え方では悪い事ではなく、例えば生産ロットを増やす事で、一個当たりの単価を下げる方法は今でも行われています。結果として、1ヶ月程度の使用量を一時的に在庫する事になっても単価の低減効果が大きければ良しとするわけです。

ところが行きすぎると、生産単価を下げて高く売り儲かっているはずなのに、棚卸資産が増えるばかりで使えるお金が残らず、充分な投資が出来ない。なんて事になりかねないのです。

特にトヨタが"Just in time"の考え方を打ち出し、それが社会に認知されるにつれてメリットが大きい事がわかり、棚卸資産は経営数値の重要な一つになって来ました。(勿論、少ないほど良い)

現在では利益そのものも棚卸資産を含まない、入出金だけで表現する「収益費用アプローチ」という考え方すらメジャーになりつつあります。

棚卸資産圧縮のメリットは、棚卸資産が減っていく途中の事を考えるとわかりやすいです。

例えば、日常的に5億円の棚卸資産を持っていた会社が、棚卸資産圧縮を本格化する事にして2年で3億円に迄、圧縮出来たとします。(経験上不可能な数字ではありません)

この差の2億円は、どうなったのでしょうか?

使えるお金になったのです。
設備投資や研究開発、あるいは給与の増額になったのです。

メリットが大きい事がわかるでしょう。
この金額を通常の企業活動で稼ぎ出す事がいかに難しいかは、何方でも解ると思います。

棚卸資産圧縮は、キャッシュフローのメリットだけではありません。在庫部品の量を圧縮しているので、常にレスポンス良く生産する能力が必要で、それを可能にする「改善活動」自体が大きなメリットだと言う方もいます。

2012年9月25日火曜日

12/9/25 生産管理

私のサラリーマンとしての仕事は、とある機械メーカーの生産管理です。

今月は上期末という事もあって生産量が多く、私の業務も自然に忙しくなっています。ブログを書く頻度も少なくなるわけです。

生産管理という業務は、工場には無くてはならないものですが、関わりの無い方には理解しにくいようです。
短的に言うと、工場の生産の為に必要な製作以外の業務全般ってところでしょうか。理解しにくくてもしょうがないですね。

生産管理の仕事はまず、いついくつ生産するかを受注状況を見ながら決めます。次にその生産をするのに必要な部品を、いくつ、いつまで、に入手すれば良いかを計算して決めます。
こんなふうにフロー図にまとめるしかない仕事です

部品は外から購入したり、社内で加工したりします。購入するのは「資材課」、加工するのは「製作課」になります。これらの課は、何をするのかわかりやすいでしょう。
機械加工 現場

「資材課」「製作課」に指示の形で、どの部品を、いつ、いくつ、と伝えるのが、生産管理の主な仕事になります。
本質的にはこれだけなんですが、指示しっぱなしでは済まず、顧客の納期に合わせた生産を完了させるところまでフォローしなければなりません。でもそこに、厳しさと面白味が出てきます。

また、最近ではどこの会社も在庫量を最低にする事を要求するので、さらに仕事が難しいなります。

顧客は、工場の生産能力に合わせて注文をくれる訳ではないので、受注量の多すぎ、少なすぎは当たり前にありますし、
短納期でどうしても、という注文にもできる限り応えなくてはいけません。

調達する部品だって、一つ一つ、納期(リードタイム)が違いますから、過去の使用量や営業からの受注見込み情報で先行して入手しようとしますが、上手く行かない事も多いのです。

結局、いつもどれかの部品が供給不足になっているってのが日常です。

生産管理は、指示するだけの部署なので供給不足を早く感知して、「資材課」「製作課」に伝え、回復させる事しか出来ません。自分では作れないですから。

生産管理の面白さは、上手くコントロール出来た時の快感ですかね。
いろいろな部署のいろいろな人の仕事が、全部自分の能力であるかのように感じられる時があります。

逆に上手く行かなくなると、全部自分の責任であるかのように感じられ、眠れなくなったりします。

どうです?生産管理に興味が持てましたか?

私はサラリーマン人生のほとんどをこの職種で過ごしてきたので好きです。なので、皆さんにも興味を持って貰いたいと思ってしまうんですね。

2012年9月23日日曜日

12/9/23 RIVET QR

RIVET QR
 リリース状態

RIVET Japan オリジナル商品の QR は、何度かこのブログに書いています。今は、ダメ出しの為のモニターをヤフオクの¥1オークションの形で募っていて、4個目を落札して頂いたところです。ご協力をありがとうございます。

私自身も6月くらいからずっと使っています。実は、2度トラブって修理の間使えなかったんですが、不便で困りました。

iPhone4S がポケットの奥で横倒しになり、はまった感じで取り出しにくかったし、車の運転中はもう取り出すのを諦めてました。

10年以上前に試作した革製のインナーポケット

ポケットの上部に吊るってのも、今考えてもベストポジションです。本当は、ポケット上部に専用サイズのインナーポケットの方が良いのですが、持っている全てのパンツにインナーポケットを縫い付けるってのも手間が大変です。

結局、「QR」デスよ。やっぱり。

コマーシャルでした。

2012年9月14日金曜日

12/9/15 プロアクティブ・シャシー・コントロール 3

ロールコントロールの方法として、「たすき掛けのオイルラインの圧力を高める」らしい事はわかっていますが、どういう制御かわかっていません。

前々回は、「たすき掛けのオイルラインの圧力が一定以上に高まった時にさらに圧力を・・・」と書きましたが、考える内に「ハンドル舵角と車速を使っているに違いない。」と思うようになっています。

スピードと舵角が決まると 横G は多分一定ですからね。
シーマのハンドル舵角センサー

理由
(1)充分に制御可能な線形特性があると想像できる。
(2)横G や 圧力 などのパッシブ(受動的)センシングよりはるかにアクティブ(能動的)である。
=速い。
(3)ハンドル舵角もスピードもセンサーが一般的に使用されており、入手が容易である。

なので、「舵角と車速」を使わないで制御するのはもったいないと思います。きっと使っていますよ。そう思いませんか?


2012年9月9日日曜日

12/9/9 プロアクティブ・シャシー・コントロール 2

CG TV で言っていましたが、「一つの発明が大きな効果を出すなんて事は、もう車の世界では無いと思っていた。」よほどプロアクティブが良かったんですね。

前回で話しましたが、車のロールコントロールは、アンチロールバーという一本のねじれバネだけが受け持っていて、今思うとショボいものでした。

スポーティーな車は足回りが硬いのが常識です。しかしこのショボさのせいに過ぎず、スポーティーであっても衝撃の吸収=路面への追従性=グリップ向上となって大事なので、ロールコントロールがうまく出来ればもっと柔らかな足回りになるはずです。

バイクのロードレーサーは、ケニー・ロバーツの時代から柔らかな足回りが常識になっていました。

車の場合、バイクよりもすごく広いタイヤの接地面がありますが、タイヤが四角い断面なので、角度を路面に対して垂直にしないと接地面を確保出来ず、これがロールコントロールをより重要にしています。

路面への追従性向上によるグリップ向上より、固いサスペンションのロールコントロールによるタイヤ角度の制御の方が効果が大きいようなのです。

ダブルウィッシュボーンサスの図

図はダブルウィシュボーンサスペンションです。直進時のタイヤ角度を考えると単純に上下のアームが平行であるべき(アームの延長線が交わるP点が無い状態)なんですが、車はロールするのでロールした時に外側のタイヤが地面に垂直になるよう、少しですが角度が付けられています。


ロールコントロールが重要なのは、判った。じゃあどうすりゃ良いんだって話ですね。

左右輪の動きの差を規制するんですが、やっかいなのは左右の差=ロールではない事。これがイコールなら、ごっついアンチロールバーで事足りますが、左右の差があってもロールしているとは限らないのです。たまたま、片輪が石に乗り上げた時に片輪が穴に落ちている事だってありますからね。

ロールしているときだけ、左右輪の差を少なくするってのがいわゆる「アクティブ」という名がついている「電子制御」サスペンションシステムなのです。

レクサスのアンチロールバーにモーターを組み込んだ物

ググッテ見ると「アクティブサス」ってずいぶんいろいろ市販車に搭載されています。例えば写真のアンチロールバーにモーターを組み込んだ物。アンチロールバーというネジリバネのプリロード調整を可変しようというものですね。
うまく働けば、これが一番直接的でシンプルな良いアイディアだと思いますが、マクラーレンのプロアクティブほどは「賞賛」が聞こえてきません。

おそらく、劇的な効果を出すほど徹底した設計ではないのでしょう。

マクラーレンのプロアクティブは、油圧でダンピング力を可変するタイプのようでした。車高調整よりはエネルギーを使わないので、現実的かもしれません。

また、ダンピング力を変えるのに、ダンパーピストンのオリフィスでは無く、ダンパー内の圧力を変える方法があるのを始めて知りました。

一方、サスペンションレイアウトでもロールしないように、できるんじゃあないかと思えます。

ダブルウィッシュボーンのアッパーアームとロワーアームの中間に車体の重心が有れば、大きくGが掛かってもロールしないはずです。
相当高い位置にアッパーアームピボットを置かなくてはならないので、厳しい設計になりそうですけどね。

最先端なのは、前回でも紹介しました、BOSEの電動アクティブです。金属スプリングすら使わずに、電磁石による位置決めのみでコントロールするタイプだそうで、ジャンプも出来ちゃうらしいです。エネルギーは食うでしょうね。回生もするそうですが。よほど余裕馬力が無いと使えませんね。

レーサーの場合は、ウィングカー以降路面に吸いつく方法でダウンフォースを得ていますので、ロールしないだけでなく車高を低く保つ事も重要で、だからガチガチのサスペンションが必要です。(そろそろLotus88の様な、バネ下に直接ダウンフォースがかかるタイプを認可しても良いのでは?ドライバーが可哀想です。)まあ、サーキットは路面も良いですしね。

でも市販車は違います。グリップのためにも柔らかいサスペンションの方が良いはずです。

方法はどれでもいいんですが、しゃぶしゃぶの柔らかいサスペンションで、でもロールしない、キュッと曲がる車になるはずです。

乗って見たくないですか?



2012年9月2日日曜日

12/9/2 プロアクティブ・シャシー・コントロール


マクラーレン MP4-12C の回で、コピペで紹介した「プロアクティブ・シャシー・コントロール」の事を考えていたんですが、ようやく腑に落ちたので書いてみます。新技術を生むのは大変ですが、生み出された技術を理解するのは、とても簡単です。

車のサスペンションの役割を考えると、
①衝撃の吸収 ②ロールの制御 
の2つになりますが、機械的には全く違うことが要求されます。

①衝撃の吸収はタイヤ1輪毎のランダムな制御になります。この役割を追求すれば、なるべく柔らかくその結果長いストロークになります。昔のシトロエンや、昔のプジョーのようなサスペンションですね。盛大にロールします。
こんな感じにロール 実物もこうなります


②ロールの制御は、左右の差が出来た時にだけ効いて欲しいので、アンチロールバー(左右の差だけに効くスプリング)で左右のタイヤを結ぶことになります。(今まではですが。)

ところが左右の差は、ロールした時だけに起こるわけではありません。どちらかだけが、縁石に乗り上げた時や、どちらかだけが穴に落ちた時にも差が生じます。このような時にもアンチロールバーが効いてしまい、硬いスプリングが働いてしまいます。結果、乗り心地が悪くなります。

左右が別の動きをした時に、それがロールの場合は硬く、それがロール以外の時は柔らかくしたいのです。

「プロアクティブ・シャシー・コントロール」は、左右のダンパーの上部と下部をたすきのように繋いでいる事はわかっています。
マクラーレン 左右のダンパー間を2本のオイルラインが繋いでいて、かつ、アクチュエーターに繋がっている。

ロールの際は、片側の上部と反対側の下部の圧力が両方高くなります。ダンパーピストンが動いている先の側の圧力が高まるからです。この時だけもっと圧力を高くし、どちらか一方の圧力が高まった時は何もしない。というような仕事をしているのでしょう。

おそらく、たすき掛けのオイルラインの圧力がある一定以上になった時だけ、さらに圧力を高めているのではないでしょうか?



昔から、①衝撃の吸収 と ②ロールの制御の仕事を両立させるように、シャシー設計者はいろいろなアイディアを出していました。究極は、F1のアクティブサスです。
1991 Williams FW14B 

アンチロールを左右の動きをチェックするのではなく、左右の車高を変えちゃうものです。

ところがこれにも問題があって、まずパワー。ロールは早くて、次々に起こるので、常に車高を上げ下げしなくてはなりません。しかも素早く。相当のエネルギーが必要です。
F1最初のアクティブサスはロータスですが、真っ向から取り組んで挫折しました。当時の電子制御は、今のに比べるとゴミみたいなものでしたから余計に無理だったのでしょう。

それから反応時間。ロールし始めてから車高を変えていては、間に合わないのです。よって、サーキット毎に事前にプログラムしておいて、何らかの方法で同期を取って使っていました。これがウイリアムズの方法で、一時は主流になりかけました。
でもこれでは、どこを走るか事前には解らない市販車には使えません。

こんな具合で、車高調整方式はこれまでは非現実的だったようです。

今回の「プロアクティブ・シャシー・コントロール」は、あまりエネルギーを必要としなさそうで、ロール剛性が高くて、乗り心地もすごく良いということなので期待できそうです。

アメリカのモンロー社製というのも良いですね。改造キットが市販される可能性がありますからね。

ちなみに、今回ググってたら最新のアクテイブサスという事で、ステレオのBOSE製のシステムが
2004 BOSE 電動アクティブサス

載ってました。採用の話は聞いたことがないですが、大排気量の高級車なら乗り心地に特化したアクティブサスが使いきれるかもしれませんね。






2012年9月1日土曜日

12/9/1 6,000 Watch

〜1,000 5ヶ月+2日
〜2,000 2ヶ月+27日
〜3,000 2ヶ月+10日
〜4,000 1ヶ月+26日
〜5,000 1ヶ月+11日
〜6,000 1ヶ月+7日
1,000 Watch 1ヶ月が壁になりそうです。

12/9/1 市販車のDesign5 現代のDS

ちょうど CGTV で今のDS5のインプレッションをやってました。



現行DSシリーズの最上位機種、ハイドロニューマチックは無し、アバンギャルド。2011 発売。

ハイドロニューマチックについては、私は好きでしたが、必要とは思えませんでしたのでこれで良いと思います。シトロエンは Design に特化して進むべきです。

表現を変えれば、DS5はやや硬めのハイドラクティブと形容したくなる身のこなしを示してくれるわけで、もしもこれがハイドラクティブ装着車だと広報されたら、信じてしまうかもしれない乗り味を身につけている。これが、DS5の脚がハイドロニューマチック系だったらいいのに、と思うシトロエンフリークへの、僕の回答である。もちろんハイドラクティブそのものとは微妙に異なるものの、おそらくシトロエンは、ダンパーのセッティングに他のブランドにはないスペシャルな何かを掴んでいるのだと思った。(carview,co.jp 2012/7/14 吉田匠)

シトロエンはダンパー内製(PEUGEOT と共通らしい)だそうですね。


インテリアもアヴァンギャルドしてます。CGTVの松任谷氏も、車内からの眺めが違うので、「普段の道が違って見える」と言ってました。

ちなみに最近の車のDesign Trend の一つに天地の浅いリアビューウインドウがあると思います。


左はDS5、右はRange Rover Evoque です。そっくりです。