前回、生産管理のお話をしましたが、最近ではどこの会社も棚卸資産を圧縮して、キャッシュフローを改善しようとしています。
棚卸資産は、メーカーが生産をするために持つ部品在庫、製品在庫を金額で表したものです。
これはバランスシート上では、資産の一部として表されます。
なので、古い生産管理の考え方では悪い事ではなく、例えば生産ロットを増やす事で、一個当たりの単価を下げる方法は今でも行われています。結果として、1ヶ月程度の使用量を一時的に在庫する事になっても単価の低減効果が大きければ良しとするわけです。
ところが行きすぎると、生産単価を下げて高く売り儲かっているはずなのに、棚卸資産が増えるばかりで使えるお金が残らず、充分な投資が出来ない。なんて事になりかねないのです。
特にトヨタが"Just in time"の考え方を打ち出し、それが社会に認知されるにつれてメリットが大きい事がわかり、棚卸資産は経営数値の重要な一つになって来ました。(勿論、少ないほど良い)
現在では利益そのものも棚卸資産を含まない、入出金だけで表現する「収益費用アプローチ」という考え方すらメジャーになりつつあります。
棚卸資産圧縮のメリットは、棚卸資産が減っていく途中の事を考えるとわかりやすいです。
例えば、日常的に5億円の棚卸資産を持っていた会社が、棚卸資産圧縮を本格化する事にして2年で3億円に迄、圧縮出来たとします。(経験上不可能な数字ではありません)
この差の2億円は、どうなったのでしょうか?
使えるお金になったのです。
設備投資や研究開発、あるいは給与の増額になったのです。
メリットが大きい事がわかるでしょう。
この金額を通常の企業活動で稼ぎ出す事がいかに難しいかは、何方でも解ると思います。
棚卸資産圧縮は、キャッシュフローのメリットだけではありません。在庫部品の量を圧縮しているので、常にレスポンス良く生産する能力が必要で、それを可能にする「改善活動」自体が大きなメリットだと言う方もいます。
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