独特の印象が残りました。面白いんですよ、有名らしいですからね。
でも最後に残る、「独特の印象」が新鮮で、涙が出そうで、女になりたいと思いました。
別にセクシャルな意味は無いですよ。女の人生って、たとえそれが客観的に見て不幸だったとしても、完結しているんです。さすがにパタッと死んで、それが育児中だったとしたら、完結というわけにはいかないです。
でもそれさえなければ、特に近親者や、隣人に迷惑をかける事なく、子を愛し、育て、それが生きがいになる。そのためだから、身綺麗にし、部屋も清潔にしている。
翻って、男の人生はどうか、自分みたいなの。
今死んだら、大家さん大変、家族大変、近親者大変、迷惑をいっぱいかけちゃう。
夢を追ってるって言えば聞こえはいいけれど、今のところ誰の役にも立ってない。そうそう、呑み屋の女の子たちの給料は半年くらいですけど払いました。でも、そんなもんです。
典型でしょ、ダメな男の。
考えようによっては俺はまだ良い方です。少なくとも子ども2人とその母親を、子どもが自分で食える年までは養いましたから。最低限の義務は果たしたと言えませんかね。日本の人口も減らさなかったし。
この映画を見る前は、こんなことを考えもしない人間でしたが、考えちゃいました。
どんな、道徳教育映画よりも素晴らしいですね。
それとね、スペイン語の雰囲気。セニョーラ seɪnjˈɔɚ 発音記号(コトバンクより)
何と言えば良いんでしょうねぇこの雰囲気。音楽的な発音、フラメンコ、カンツォーネ、etc.
それと、写真を連想します。広ーい小麦畑、古いけど綺麗な石作の町並み、美しい公園、強い日差し、そして豊かでバリエーションの多い食材。
お金さえ求めなければ天国に近い。
こういう中での、子供(青年)の死。自分の子と同じ男(オカマなんです)の子を身ごもった修道女。エイズ。彼女を養い、安心して子を産める環境を作ってやり・・・。
ヒロイン セシリア・ロス
修道女 ペネロペ・クルス
こういう暗ーいお話ですが、何か最悪の感じがしない。勿論女優が綺麗な事も大きいです。でもそれだけじゃあない。音楽的な発音とそこから連想される美しい写真。
多分そんなのが、救ってくれてるんです。
お勧めです。
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